パライバトルマリン

パライバトルマリン 宝石
鉱物名トルマリン
宝石名トルマリン
モース硬度7-7½
屈折率1.61-1.65
主な産地ブラジル、アメリカ、タンザニア(産地については、ブラジル産のものが評価が高いと言われています)
特徴結晶構造の中に様々な成分が入り込むためカラーバリエーションが豊富であり、上下で色が異なるパーティーカラードトルマリンや、中心が赤またはピンク、外側が緑色のウォーターメロントルマリンも存在する。また、レッドとピンクの照射処理が行われる

概要

パライバトルマリン(Paraiba Tourmaline)は、トルマリン鉱物群の一種で、特に鮮やかな青緑色が特徴です。この美しい色合いは、銅(Cu)やマンガン(Mn)を含むことによって生まれ、トルマリンの中でも特に高価で珍重されています。パライバトルマリンは1980年代にブラジルのパライバ州で初めて発見され、その後、世界中の宝石愛好者やコレクターの間で高い評価を受けています。

物理的特性

パライバトルマリンの主な特性は以下の通りです:

  • 化学組成: パライバトルマリンは、トルマリン鉱物の一種で、化学式は一般に (Na,Ca)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4\text{(Na,Ca)}_3\text{Al}_6\text{(BO}_3)_3\text{Si}_6\text{O}_{18}\text{(OH)}_4(Na,Ca)3​Al6​(BO3​)3​Si6​O18​(OH)4​ です。色合いを生む主な成分は銅とマンガンです。
  • : パライバトルマリンの色は、明るい青緑色から深い青色まで様々です。銅の含有量によって青緑色が生まれ、マンガンが関与することで色が強調されます。色合いは非常に鮮やかで、他のトルマリンとは一線を画します。
  • 硬度: モース硬度は約7から7.5で、ジュエリーとしての耐久性があります。この硬さは、トルマリンが一般的に耐久性の高い宝石であることを示しています。
  • テクスチャー: 結晶は六角柱状に形成され、表面はしばしばガラスのような光沢があります。透明度は高く、内包物が少ないほど価値が高いとされます。
  • 比重: 比重は約3.06から3.33で、トルマリン鉱物群の中でも比較的軽い部類に入ります。

発見と分布

パライバトルマリンは、以下の地域で発見され、特に有名です:

  • ブラジル: 1980年代にブラジルのパライバ州で発見されたことから、「パライバトルマリン」という名前が付けられました。この地域は、パライバトルマリンの主要な産地であり、非常に美しいトルマリンが採掘されています。
  • アフリカ: アフリカのナイジェリアやモザンビークでもパライバトルマリンが発見されています。アフリカ産のパライバトルマリンも高品質で、ブラジル産と同様に市場で高い評価を受けています。
  • ミャンマー: ミャンマー(旧ビルマ)でもパライバトルマリンが発見されており、特に珍しい色合いのものが見つかります。

用途と価値

パライバトルマリンは、その特性から以下の用途で利用されています:

  • ジュエリー: パライバトルマリンはその美しい色合いと稀少性から、ネックレス、リング、ブレスレット、イヤリングなどの高級ジュエリーに使用されます。特に高品質なものはオークションや宝石商の間で高額で取引されます。
  • コレクション: パライバトルマリンは、その美しさと稀少性から、鉱物コレクションや宝石コレクションとして高い価値があります。特に透明度が高く、色合いが鮮やかなものが好まれます。
  • 装飾品: 一部のパライバトルマリンは、装飾品やアート作品としても利用されます。美しい色合いが芸術的な価値を持つためです。

科学的・歴史的背景

パライバトルマリンは1980年代にブラジルで発見された比較的新しい鉱物であり、その発見は宝石業界に衝撃を与えました。特にパライバ州で発見されたため、名前が付けられました。この発見により、トルマリン鉱物群に新たなバリエーションが加わり、鉱物学や宝石学の研究が進むきっかけとなりました。

また、パライバトルマリンの発見以降、アフリカやアジアでも同様の鉱物が発見され、その市場価値が急上昇しました。現在では、パライバトルマリンは宝石業界において非常に高価で珍重されるアイテムとなっています。

パライバトルマリンの鑑別書と分析報告書

トルマリンつきの貴金属を買い取ったのですが、石が結構綺麗で…こういった色石つき商品を業者に卸す際、卸値を少しでも高くしたいのですが何かいい方法はありますか?

石にある程度価値が見込めそうであれば、鑑別機関で鑑別書を発行してもらう、というやり方があります。おおよそ1万円ちょっとの価格で発行されます。鑑別機関として有名なのは、ダイヤモンドの鑑定書でおなじみの「中央宝石研究所」です。私が実際にこちらの中央宝石研究所で発行してもらった時の鑑別書がこちらです。

最近は「産地」の鑑別も出来るそうで、私が持参した石はブラジル産のパライバトルマリンであることが判明しました。

石の産地って卸価格に関係ありますか?

卸業者によって判断は異なりますが、「同じ石でも○○産のものは評価が高くなる」ということもあるそうです。中央宝石研究所における産地の鑑別は最近始めたそうなので、せっかくなので鑑別してもらうことにしました。ちなみに産地の鑑別をつけると、通常の鑑別書の発行日数よりプラス1週間ほど伸びるそうです。

まとめ

パライバトルマリン(Paraiba Tourmaline)は、その美しい青緑色と稀少性から、ジュエリーやコレクションアイテムとして非常に高い価値があります。ブラジルのパライバ州で初めて発見されたこの鉱物は、世界中の宝石愛好者やコレクターにとって、最も魅力的な宝石の一つです。物理的特性や発見の歴史を理解することで、パライバトルマリンの美しさと価値が一層明確になります。

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