🍡【プロローグ】銀色にキラッと光るコイン!

たまちゃーん!これ見てよ!おばあちゃんちで見つけたコインなんだけど、ピカピカしててかっこいいんだ~!



おおっ、これは……「稲100円銀貨」じゃないか!昭和の名作コインだね!



いなひゃくえん?銀貨ってことは……銀でできてるの?



そうそう。実はこのコイン、昔の100円は「銀」でできてたんだ。昭和の一時期だけ発行された貴重な存在なんだよ~。



わくわくしてきた~!たまちゃん、ぜんぶ教えてみせて~!
🌾第1章:稲100円銀貨とは?基本スペックをチェック!




稲100円銀貨は、**1959年(昭和34年)~1966年(昭和41年)**にかけて発行された日本の銀貨です。
- 材質:銀60%、銅30%、亜鉛10%
- 直径:22.6mm
- 重量:4.8g
- 図柄(表):稲穂
- 図柄(裏):分銅と額面「100円」
この銀貨は、日本で発行された「最後の流通用銀貨」であり、まさに銀貨時代のラストランナーです。
🐾第2章:なぜ「稲」なの?デザインにこめられた意味



ねぇたまちゃん、なんでお米の稲がデザインに使われてるの?



いい質問!稲はね、日本の「豊穣」や「繁栄」のシンボルなんだよ。戦後復興まっただ中の昭和にぴったりなテーマだったんだ。



なるほど~、お金に希望が込められてたんだね!
この稲穂のデザインは、当時の人々の“生活を支える象徴”として、とても親しまれていました。シンプルながらも品のある意匠です。
📈第3章:なぜ銀貨なのに100円?金属の価値と物価の不思議





銀貨って聞くと「高そう!」って思うかもだけど、この銀貨が発行されたころは、銀の価値が今ほど高くなかったんだ。



えーっ!?じゃあ銀なのに100円で使ってたの?



そう。でもね、60年代に入って銀の価格が上がってきて、ついには「銀の価格 > 額面100円」になっちゃった!



そ、それって……お金の価値を超えちゃうってこと!?
そう、銀価格の上昇により「銀貨を溶かして銀を売る方が得」という時代が到来。
これが稲100円銀貨が「発行中止」へ向かう大きな理由のひとつでした。
※日本の貨幣を日本国内で溶かす行為は法律で禁止されています。
🧮第4章:いつ発行されたの?年ごとの特徴
稲100円銀貨は、以下の年に発行されています:
- 昭和34年(1959年)
- ……
- 昭和41年(1966年)※最終年



発行枚数の違いにより、価値も変わるんだね!
特に人気なのは発行枚数が少ない昭和39年発行分。この年は東京オリンピックが開催された年であり、東京オリンピックの記念硬貨の100円銀貨が、通常の硬貨である稲100円銀貨よりも多く発行されたという、すごい年でした。
比較:昭和39年発行の100円銀貨
- 通常硬貨:10,000,000枚(稲100円銀貨)
- 記念硬貨:80,000,000枚(東京オリンピック100円銀貨)



東京オリンピックの記念硬貨のほうが、稲100円銀貨の8倍も発行されたんだね!それってもはや、その年に限っては東京オリンピックの記念硬貨が実質的な100円硬貨だったといえるんじゃない?



それだけ、この年は東京オリンピックに全振りしてたってことだねぇ。気合の入り方が違う!



結果として通常硬貨である稲100円銀貨の発行枚数が大幅に抑えられたから、むしろプレミアがつくようになった、ってことなんだね!


💸第5章:現在の価値は?コレクター人気と市場価格



ところでさ、このコインって今売ったらいくらくらいになるの?



ふっふっふ、これは状態と年式でかなり変わるんだよ!
- 並品(状態が良くない):110円~
- 美品(きれい):300円前後
- 未使用:700円~
- 昭和39年はプレミア!



そんなに上がるんだ!?ひとつのお宝じゃん!



実際のところ、昭和39年の稲100円銀貨ってなかなか見かけることがないんだよねぇ~
🪙第6章:銀貨終了…なぜ終わった?白銅貨への転換
稲100円銀貨の発行は、**1966年(昭和41年)**で終了。
その翌年、白銅(ニッケルと銅)製の100円硬貨(桜のデザインのアレです)が登場し、現在に至ります。
【理由まとめ】
- 銀価格の高騰
- コスト問題
- 実需より溶解目的での使用懸念
- 銀の変色による健康被害への懸念
つまり、稲100円銀貨は「時代の流れ」によって消えていった銀の戦士だったのです。
📚第7章:稲100円銀貨と関連するコインたち
コイン名 | 年代 | 素材 | 特徴 |
---|---|---|---|
鳳凰100円銀貨 | 1957~1958 | 銀60% | 鳳凰のデザインが美しい |
稲100円銀貨 | 1959~1966 | 銀60% | 稲穂、最後の銀貨 |
桜100円硬貨 | 1967~現行 | 白銅 | 現行100円、桜モチーフ |
記念銀貨(東京五輪) | 1964 | 銀60% | コレクター人気◎ |
稲100円銀貨は“通常流通銀貨”でありながら、“記念銀貨のような格式”も持ち合わせたハイブリッドコインなのです。


🌟エピローグ:銀貨の輝きは永遠に



なんかさ、稲100円銀貨ってただの古いコインじゃないんだね。



うん、昭和という激動の時代を背景に、経済・文化・技術の進化を物語る「時代の証人」なんだ。



大事にしよう……!そして、もっと集めたくなってきた~!!

