ダイヤモンドにまつわるトリビア

コールス(鉱物採掘士)

さて、今までいろいろとダイヤモンドについて学んできましたが、まだまだお伝えしきれていない話がたくさんあります!そこでこの記事では「ダイヤモンドにまつわるトリビア」として、各記事のリンクを貼ってあります。気になる記事があればぜひリンクをたどって読んでみてください。

目次

ポピガイ・クレーターの謎

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

『ポピガイ・クレーター』って聞いたことありますか?天然石の本で見たんですけど、よくわからなくて。

コールス(鉱物採掘士)

ああ、ポピガイ・クレーターね。ロシアのシベリアにある、世界最大のダイヤモンド鉱床があるクレーターだよ。隕石の衝突でできたと考えられているんだ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

ダイヤモンドがいっぱいあるんですか?でも、本には採掘されていないって書いてありました。

コールス(鉱物採掘士)

そうなんだ。場所がすごく辺鄙で、採掘するための設備を作るのが難しいらしい。それに、ポピガイ・クレーターのダイヤモンドは宝石には向いていない種類で、人工ダイヤモンドの方が丈夫なんだ。だから、採掘される可能性は低いと言われているよ。

あわせて読みたい
ポピガイ・クレーターの謎 ロシアのシベリア地方、北極圏に近いポピガイ・クレーターは、まさに秘境と呼ぶにふさわしい場所にあります。辺り一面に広がるツンドラ地帯の中で、クレーターは静かにその姿を隠しています。人里離れたこの地へたどり着くには、いくつもの困難が待ち構えています。最も近い町でさえも、数百キロメートルも離れており、簡単に訪れることはできません。整備された道路はなく、車で進むことは不可能です。そのため、ヘリコプターや特殊な車両を利用する以外に、このクレーターへ近づく方法はありません。到達手段が限られていることが、調査や開発を遅らせている大きな理由の一つです。

輝きの数学者:トルコフスキーの功績

輝きの数学者:トルコフスキーの功績
たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

 「トルコウスキー」って人の名前が出てきたんですけど、天然石と何か関係があるんですか?

コールス(鉱物採掘士)

いい質問だね。トルコウスキーは、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すための数学的な比率を計算した人物だよ。現代の丸いブリリアントカットのダイヤモンドを作った人として知られているんだ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

へえ、数学でダイヤモンドの輝き方が変わるんですか?なんだか不思議ですね。

コールス(鉱物採掘士)

そうなんだ。ダイヤモンドのカットの角度や深さを調整することで、光が内部で反射して外に出る量が変わる。トルコウスキーは、その反射を最大にする計算をして、理想的なダイヤモンドの形を導き出したんだよ。だから、今私たちが目にする多くのダイヤモンドは、トルコウスキーの計算に基づいてカットされているんだ。

あわせて読みたい
輝きの数学者:トルコフスキーの功績 【輝きの数学者:トルコフスキーの功績】 「トルコウスキー」って人の名前が出てきたんですけど、天然石と何か関係があるんですか? いい質問だね。トルコウスキーは、...

幻の輝き、日銀ダイヤ

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

『日銀ダイヤ』って、どんなダイヤのことですか?

コールス(鉱物採掘士)

第二次世界大戦中、政府が国民から買い上げたダイヤモンドを、終戦後に日本銀行が管理し、民間に売り出したものだよ。別名『放出ダイヤモンド』ともいうんだ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

戦争中に集められたダイヤなんですね。どうして政府が国民から買い上げたのですか?

コールス(鉱物採掘士)

戦争遂行のための資金調達のためだよ。国民から金属や宝石などを供出させて、それを売って資金にしたんだ。ダイヤモンドもその一つだったんだよ。

あわせて読みたい
幻の輝き、日銀ダイヤ 第二次世界大戦という、世界中が混沌とした暗闇に包まれていた時代。物資は欠乏し、人々の暮らしは困窮を極めていました。そんな中、日本政府は苦渋の決断を下します。それは、国民から宝石、中でも特にダイヤモンドを買い上げ、戦費に充てるというものでした。キラキラと輝く宝石は、人々にとって大切な思い出の品や、将来への希望の光であったことでしょう。しかし、国を守るという大義名分のもと、ダイヤモンドは戦費調達のための貴重な資源へと姿を変えていったのです。

希望のダイヤモンド:歴史と魅力

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

 『希望のダイヤモンド』って、どんな石なんですか?

コールス(鉱物採掘士)

『希望のダイヤモンド』は、アメリカ合衆国の国立自然史博物館にある、有名な青いダイヤモンドだよ。45.52カラットもある大きな宝石で、何百年もの間、たくさんの人の手に渡ってきた歴史があるんだ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

へえー、そんなに長い歴史があるんですね!今では博物館にあるってことは、昔は誰かの持ち物だったんですか?

コールス(鉱物採掘士)

そうだよ。インドで採掘された後、1666年には売買された記録が残っているんだけど、誰が最初に持っていたのか、いつ採掘されたのかは謎に包まれているんだ。最後に持っていたのはハリー・ウィンストンという人で、1958年に博物館に寄贈されたんだよ。

あわせて読みたい
希望のダイヤモンド:歴史と魅力 石の由来を知ることは、その石の価値をより深く理解することに繋がります。希望のダイヤモンドは、その美しい青色と数奇な運命で、世界で最も有名な宝石の一つとして知られています。45.52カラットのこのダイヤモンドは、アメリカ合衆国国立自然史博物館に展示されています。その歴史は400年近くに及び、多くの人々を魅了し続けてきました。

カリナンダイヤモンド:世界最大のダイヤモンド

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

 『カリナンダイヤモンド』って、どんなダイヤモンドなんですか? 大きなダイヤモンドだってことはわかるんですけど…

コールス(鉱物採掘士)

いい質問だね。カリナンダイヤモンドは1905年に南アフリカのカリナン鉱山で見つかった、とてつもなく大きなダイヤモンドだよ。今まで見つかった中で一番大きな原石だったんだ。その大きさはもちろん、青みがかった白い色と素晴らしい透明度で、世界中で有名になったんだよ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

そんなに大きいと、加工も大変そうですね…

コールス(鉱物採掘士)

その通り!実はカリナンダイヤモンドは、そのままでは使えず、分割して研磨する必要があったんだ。3人の職人が8ヶ月もの間、昼夜を問わず作業して、9つの大きなダイヤモンドと、97個の小さなダイヤモンドが作られたんだよ。大きなダイヤモンドにはⅠからⅨまでの番号が付けられていて、今でもその名前で呼ばれているんだよ。

あわせて読みたい
カリナンダイヤモンド:世界最大のダイヤモンド 西暦1905年1月26日、南アフリカ共和国のプレトリア近郊にあるカリナン鉱山にて、人類史上最大のダイヤモンド原石が発見されました。その重さは、なんと3106.75カラット。これは、それまでに見つかったダイヤモンドの記録をはるかに超える、まさに桁外れの大きさでした。当時、世界最大だったエクセルシオールダイヤモンドの995.2カラットと比べても、3倍以上の大きさだったのです。

オッペンハイマーダイヤモンド:未加工の奇跡

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

 『オッペンハイマー・ダイヤモンド』って、どんな宝石なんですか?

コールス(鉱物採掘士)

良い質問だね。『オッペンハイマー・ダイヤモンド』は、1964年に南アフリカのドイトイッパン鉱山で見つかった、とても大きな黄色いダイヤモンドだよ。253.7カラットもあるんだ。大きさで言えば、切る前のダイヤモンドとしては世界でも有数の大きさだよ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

そんなに大きいんですか! 切られていないっていうのは、どういうことですか?

コールス(鉱物採掘士)

そう、採掘されたままの形で、一切カットされていないんだ。ほぼ完璧な自然のままの形で残っているから貴重なんだよ。今は、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館に展示されていて、誰でも見ることができるよ。

あわせて読みたい
オッペンハイマーダイヤモンド:未加工の奇跡 1964年、南アフリカ共和国の豊かな大地に抱かれた、由緒あるダイトイッパン鉱山で、驚くべき発見がありました。歴史に名を刻む数々の輝かしい宝石を世に送り出してきたこの鉱山から、類まれな巨大な黄色いダイヤモンドが姿を現したのです。そのニュースは瞬く間に世界中を駆け巡り、宝石を扱う商人や、宝石を愛する収集家たちの心を揺るがし、大きな話題となりました。

ゴールデンジュビリーダイヤモンド:世界最大のカットダイヤモンド

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

 「ゴールデンジュビリーダイヤモンド」って、どんな宝石ですか?

コールス(鉱物採掘士)

いい質問だね。ゴールデンジュビリーダイヤモンドは、1985年に南アフリカで発見された茶色のダイヤモンドで、カットされた宝石としては世界最大の大きさなんだ。重さは109グラム以上もあるんだよ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

そんなに大きいんですか!他の有名なダイヤモンドと比べてどれくらい大きいんですか?

コールス(鉱物採掘士)

世界で2番目に大きいダイヤモンド、カリナンⅠよりも15カラット以上も大きいんだ。ちなみに、カリナンⅠもゴールデンジュビリーと同じ南アフリカのプレミア鉱山で見つかったんだよ。この鉱山は、20世紀を通して、他にも有名なテイラー・バートンやセンテナリーダイヤモンドなどが発見された、とても有名な鉱山なんだよ。

あわせて読みたい
ゴールデンジュビリーダイヤモンド:世界最大のカットダイヤモンド 黄金色の輝きを放つ祝祭の宝石、ゴールデンジュビリーダイヤモンドは、1985年、南アフリカ共和国のプレミア鉱山で産声を上げました。このプレミア鉱山は、まさに宝石の宝庫と言えるでしょう。20世紀を通して、世界最大級のダイヤモンド原石であるカリナンを始め、ハリウッド女優エリザベス・テイラーが所有したことで有名なテイラーバートン、そして南アフリカ共和国建国100周年を記念して名付けられたセンテナリーダイヤモンドなど、数々の歴史に名を残す著名なダイヤモンドを世に送り出してきました。この輝かしい系譜に名を連ねるゴールデンジュビリーダイヤモンドは、褐色のダイヤモンドです。

ドレスデン・グリーン:謎多き緑の輝き

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

 『ドレスデン グリーン ダイヤモンド』って、どんな宝石なんですか?

コールス(鉱物採掘士)

いい質問だね。『ドレスデン グリーン ダイヤモンド』は、天然の緑色のダイヤモンドで、41カラットもある大きな宝石なんだ。起源はインドと考えられているけど、詳しいことは分かっていない、謎めいた宝石なんだよ。

たむ(鉱物・宝石大好きっ子)

緑色のダイヤモンドって珍しいんですか? なぜ緑色なんですか?

コールス(鉱物採掘士)

そう、緑色のダイヤモンドはとても珍しい。この緑色は、天然の放射性物質にさらされたことで生まれた自然の色なんだ。ちなみに、2019年にはドレスデン城から盗難された宝石の中にも含まれていて、世界的に有名になったんだよ。

あわせて読みたい
ドレスデン・グリーン:謎多き緑の輝き 緑色の輝きを放つ41カラットの天然ダイヤモンド、ドレスデン・グリーン。その美しい光は見る者を魅了しますが、この宝石の生まれ故郷は謎に包まれています。歴史の霧に隠され、その起源ははっきりと分かっていません。有力な説としては、はるか昔にインドの鉱山で発見されたというものがあります。もしかしたら、ゴンドワナ大陸と呼ばれる太古の大地の奥深くで生まれたのかもしれません。しかし、それがいつ、どのようにして地上に姿を現したのか、正確な記録は残されていません。この謎めいた出自こそが、ドレスデン・グリーンの物語に深みを与え、人々を惹きつけてやまない理由の一つと言えるでしょう。
あわせて読みたい
ダイヤモンド/Diamond/金剛石 鉱物種ダイヤモンド(金剛石)化学組成C屈折率2.417モース硬度10結晶系等軸晶系晶癖正八面体、立方体比重3.52光沢金剛劈開強い主な産地ボツワナ、ロシア、南アフリカ、...
あわせて読みたい
宝石にまつわるコラム特集 今日はさ~“売る”とか“鑑定”とかじゃなくて、もっと“宝石そのもの”についての話を聞きたいな~!こぼれ話てきなものってないの? おおっ、それはいいね!宝石って“商品”...
鉱物・宝石商
鉱物・宝石辞典
たまちゃんとたむの鉱物・宝石一番星★

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次