鉱物種 | トルコ石 |
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化学組成 | CuAl6(PO4)4(OH)8 4H2O |
屈折率 | 1.610-1.650 |
モース硬度 | 5-6 |
結晶系 | 三斜晶系 |
晶癖 | 塊状 |
比重 | 2.76 |
光沢 | ロウ状-ガラス |
劈開 | なし |
主な産地 | イラン、アメリカ、エジプト、中国 |
トルコ石(ターコイズ)は、美しい青から緑青色を持つ鉱物で、主に銅とリン酸塩から成り立っています。古代から装飾品や宗教的なアイテムに使われており、その歴史は長いです。
トルコ石の名前はトルコから来ているのですが、実際にはこの鉱石はトルコで発見されたわけではありません。トルコ商人がヨーロッパに持ち込んだため、この名前が付けられたと言われています。主にアメリカ合衆国、イラン、中国、メキシコなどで産出されます。
その独特の青緑の色合いと斑点模様が特徴で、ジュエリーや装飾品、アート作品などに使われます。また、トルコ石は古代から幸運や保護の石とされ、多くの文化で大切にされてきました。
初心者必見!トルコ石の価値を知ろう!
宝石の中でも特に価値基準が複雑と言われているトルコ石ですが、色合いや模様の入り方などの要素が絡み合いグレードが決定付けされています。まずはトルコ石の価値基準を知っておきましょう。
状態
どんなに美しくされた加工・人工トルコ石も、天然のトルコ石の貴重さには敵わないため、天然の要素があるかどうかが大事。
産地
ブランド鉱山のトルコ石と無名鉱山のトルコ石は似た特徴があるが、価値が大きく異なる。鉱山は閉山されているところが多く、その閉山された鉱山から算出されたトルコ石は希少価値があり、高値が付く。
色合い
トルコ石の色の濃さは、密度や硬度と比例しているので濃い色の方がグレードが高い。
透明度
トルコ石は、色ムラがなく純度が高いほどグレードが上がり、不純物がなく透明度が高いい方が希少。
模様
トルコ石の特徴である模様は、芸術的意味合いも含まれるため判断基準が曖昧だが、スパイダーウェブは高く評価され、細かい方が人気も高く、価値も高い。
トルコ石のクリーニング方法とは?
トルコ石をお持ちなら、自分でできるだけクリーニングを行っておくことが大切です。汚れた状態で保管するより、綺麗な状態のほうが価値が高くなります。鑑別書や保証書、ジュエリーが入っていたケースなどの付属品も必ず保管しましょう。
トルコ石は硬度が低く、柔らかい石なので衝撃が加わると変形してしまいます。ですので、他の宝石と一緒に保管するのは避けてください。また、熱や湿気にも弱いので日が当たらない場所に保管し、変色しないように使用したら必ず柔らかい布で汗や皮脂を拭き取る作業をしましょう。
トルコ石の偽物に要注意!本物の見分け方にはポイントがある
トルコ石は、目に見えない小さな穴が無数に開いている多孔質の石なので非常に脆くて割れやすい性質を持っています。そのため、汚れの混入とその脆さを守るために昔から補強の意味を兼ねて様々な加工がおこなわれてきました。しかし、現在はトルコ石が使用されていない偽物が多く出回っていますので注意が必要です。
軽すぎるトルコ石は危険!
本物のトルコ石は「石」であるため、手に持つと「石」特有の冷たさや重さを感じることができますが、プラスチックや樹脂製などでできた偽物は軽すぎる可能性があります。また、本物のトルコ石は自然の鉱物であるため、ネット状の網模様はサイズも間隔もバラバラなのに対し、偽物は均等に入れられていることがあるのです。
現在市場に安く出回っているものは、ほかの石や陶器、ガラス、プラスチック、樹脂などを加工して作ったものばかりであるとお考えください。
信頼できるお店で確かめてもらう
トルコ石の偽物には、ハウライトやマグネサイトという白い石を染色したものが多く市場で出回っています。トルコ石と似た黒い網状の模様があり、とても見分けが付きにくいので注意が必要です。自分で見分ける際は、アセトン入りの除光液でこすってみてください。そうすると塗装が溶け、中から白っぽい地の石色が出てきますよ。
近年、トルコ石が採れる鉱山はだんだん閉山されており、今や希少な高級宝石となっています。しかし、とても高度な技で偽物を作っている可能性もありますので、本物かどうかを見極めるのが難しければ、信頼できる宝石研究所に依頼すると良いですね。