宝石の輝きの秘密:エクステンションとは?
きらきらと輝く美しい宝石。その輝きのなかで、時折、小さな黒い点を見つけることがあります。まるで宝石に影が落ちたように見えるこの点。一体何なのでしょうか?
この現象は、宝石の世界で「内包物」と呼ばれています。宝石ができる過程で、自然の作用によって取り込まれた、さまざまな物質のことを指します。内包物は、宝石の種類によって、また、同じ種類の宝石でも一つ一つ異なった形や大きさ、色合いを持っています。
この内包物の中には、宝石の輝きに影響を与えるものもあります。例えば、今回のテーマである暗い点。これは、光が宝石の内部で反射や屈折を繰り返す中で、内包物に吸収され、私たちの目に戻ってこないために生じる現象です。宝石の底、光を反射させるために細かくカットされた部分を「パビリオン」と呼びますが、光がこのパビリオンで反射する際に、内包物に当たると、光は吸収されてしまい、その部分が暗く見えるのです。
このような暗い点は、一見すると宝石の美しさを損なう欠点のように思われがちです。しかし、実は、内包物は、その宝石が自然の中で育まれた証であり、唯一無二の存在であることを示すものなのです。また、暗い点は、宝石の色味をより深く、奥行きのある輝きを演出する効果も持っています。まるで夜空に輝く星のように、暗い点があることで、周りの輝きがより一層引き立ち、宝石の魅力をさらに高めていると言えるでしょう。