プロローグ:はじまりの一銭

たまちゃ~ん、今日はどこに行くの!?



今日はね、「額面」で古銭の歴史を探ってみようって思ってるんだ!



がくめん?…顔のこと?



そっちじゃない(笑)!ここでいう額面っていうのは、お金に書かれている「価値」のこと。たとえば「1銭」とか「50円」とかさ!



あー、なるほどー!それなら見たことあるかも!
1銭硬貨 ~明治の風に乗って~



1銭は明治時代から発行された日本の小額通貨の代表格。最初は銅貨だったけど、戦争や物資不足の時代になるとアルミや錫も使われたんだよ。



えっ、そんなに素材が違うの!?コレクションとしてもバリエーション多そうだね!
1銭硬貨カタログ:
1銭の特徴と歴史まとめ:
- 明治6年(1873)に登場した「竜1銭銅貨」は人気のコレクションアイテム。
- 昭和時代に入るとアルミ製へ。戦時中にはさらに軽量化されていった。
- 昭和13年は、この1年間だけで3種類の1銭硬貨が発行された。



不発行の陶貨は激レアもいいところ!1銭のほかに、5銭や10銭の陶貨の流通計画があったんだ。
5銭硬貨 ~銀からアルミへ、素材の変遷~



次は5銭!1銭よりちょっとリッチな感じ?



うん、でも最初のころは「白銅製」だったんだ。とってもキラキラしてたんだよ!



それってちょっとレアじゃない?



う~ん、それはどうかな。発行枚数はそれなりに多い方だよ。
5銭硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 明治初期の5銭銀貨は小型ながら品位の高い造り(カタログ未掲載)
- 戦時中はアルミ→錫、果ては陶器まで使われた例もあり。



1銭と異なり、白銅やニッケルが使用されていましたが、アルミを使用されるようになってからは1銭と同じような流れに。
10銭硬貨 ~文明開化の銀色コイン~



10銭になると、かなり存在感があるよ。銀製や白銅製がメインだったね。



銀製!?贅沢~!
10銭硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 明治4年の「旭日竜10銭銀貨」は名作のひとつ。(カタログ未掲載)
- 昭和10年代に登場した「稲10銭」は非常に流通量が多かった。
- アルミ→錫ときて、再びアルミに戻る流れを持つ。



素材に錫が使用された最大の額面だよ。
20銭硬貨 ~レアな中間通貨~



え、20銭ってあったの!?聞いたことない!



そうなんだ。10銭と50銭の間ってことで、あまり注目されないけど、実は人気のコレクターズアイテムなんだよ。
20銭硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 明治期を中心に発行。銀貨のみ発行。銀以外の素材では発行されず。
- 「旭日竜20銭銀貨」や「竜20銭銀貨」は希少で価格も高め。
- 昭和には発行されず、短命に終わった額面。



表面に旭日、裏面に竜+額面が描かれた「旭日竜」はレア。でも、額面の視認性は悪いね(笑)
50銭硬貨 ~戦争と共に生きた銀貨~



50銭はね、銀貨の代表格。戦前の中流家庭ではよく使われていたんだ。



うわー、おばあちゃんの財布に入ってそう!



いやいや、いつの時代のおばあちゃんだよ(笑)
50銭硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 明治期~昭和初期まで銀製が主流。
- 小型50銭銀貨の「鳳凰50銭」は芸術性が高く人気。
- 戦後は素材が黄銅へ移行。



昭和22年の大型20銭黄銅貨は超絶激レア!
1円硬貨 ~「円」の顔、変化の歴史~



1円って今もあるじゃん!



そうだね。でも昔は銀貨だったり、黄銅だったり、いろんな素材があったんだよ!
1円硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 明治初期は大型の銀貨「新1円銀貨」が登場。
- 戦後すぐに黄銅1円が発行され、後にアルミの現行1円へと変化。
- 日本の通貨制度のシンボル。



新1円銀貨はレプリカが多いので注意!



どうやって見極めるの?



一番大事なのは重さ。26.96gから著しく乖離していたらそれはレプリカ!



ちなみに1円黄銅貨って今でも使えるの?



残念!現在では1円黄銅貨は使うことができません。両替もできないので注意してね~
5円硬貨 ~「幸運の穴あきコイン」~



5円って、真ん中に穴が開いてるでしょ?



そうそう、「ご縁があるように」ってお守りにしてる人もいるよね!



ところが昔の5円って、穴が開いてなかったんだよ~



まじかぁ~!
5円硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 「新5円金貨」は古銭としても、金貨としてもコレクターズアイテムに。
- 穴あきで縁起物として人気だが、初期は穴なし。
- 楷書体の5円玉は「フデ5」と呼ばれる。



穴なし5円黄銅貨は周囲にギザギザあり。ギザ10ならぬ「ギザ5」です。
50円硬貨 ~意外と奥深い名脇役~



50円は穴あきで、比較的地味に見えるけど…コレクターには人気!



たしかにお釣りでもらってもあんまり見ないかも!
50円硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 昭和30年から、現在のニッケル系素材へ。
- 昭和62年の「菊50円」は珍しい逸品。
- 昭和35年発行の50円硬貨は発行枚数が少ない。



昭和62年は、一般流通用には50円硬貨は発行されませんでした。そのため、昭和62年は貨幣セットの50円貨幣しか存在しません。
第10章:100円硬貨 ~銀から白銅、そして今へ~



100円って、ずーっと同じ形な気がするけど…



実は昔は銀製だったんだよ!
100円硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 昭和32年~昭和41年の銀製100円硬貨は今でも高値。
- 昭和42年から白銅へ移行。
- 「鳳凰」「稲穂」「桜」などのデザイン変遷も見逃せない!



100円銀貨は、古銭としての価値よりも、貴金属の銀としての価値のほうがあります。
第11章:その他の珍額面 ~半銭・2銭・その他いろいろ~



最後は「その他」だね!何があるの?



昔は「半銭」とか「2銭」みたいな今では考えられない額面もあったんだよ。
その他の額面硬貨カタログ:
特徴と歴史:
- 明治初期の「一厘銅貨」は非常に小さくて可愛らしい。
- 半銭や2銭は額面としては珍しいため、コレクターズアイテムになる。



現代でも2000円札がほとんど流通していないのと同じように、中途半端な額面では使いにくいので、あまり流通しなかったのかも。
エピローグ:額面の向こうに見える歴史



額面ってただの数字じゃないんだね!素材もデザインも違って、奥が深い~!



うん、それぞれの額面にはその時代の背景が刻まれているんだ。古銭はまさに歴史のタイムカプセル!



よーし、今度は自分の「推し額面」決めるぞ~!



