

名前 | ウルフェナイト/WULFENITE/水鉛鉛鉱 |
色 | 黄色、灰色、オレンジ色、赤色等 |
光沢 | ダイヤモンド光沢、樹脂光沢 |
蛍光 | なし |
劈開 | 明瞭 |
断口 | 貝殻状 |
硬度 | 2.5-3 |
比重 | 6.7-7 |
主な産地 | メキシコ、アメリカ、イタリア、オーストリア、ナミビア |

ねぇねぇコールス先生~!オレンジ色で四角いキラキラした鉱物ってなぁに?



それはきっと“ウルフェナイト”だね。四角い板みたいな結晶で、色もとても鮮やかなんだよ。



オレンジなのに“鉛”が入ってるって聞いてビックリしちゃった!どんな鉱物か、詳しく教えて~!



よし、今回は“ウルフェナイト”について解説しよう!
第1章:ウルフェナイトの基本情報



ウルフェナイト(Wulfenite)は、鉛(Pb)とモリブデン(Mo)を含む鉛モリブデン鉱物で、 その美しい橙色からコレクターにも大人気の鉱石です。
項目 | 内容 |
---|---|
和名 | 水鉛鉛鉱(すいえんえんこう) |
英名 | Wulfenite(ウルフェナイト) |
化学式 | PbMoO₄ |
結晶系 | 正方晶系(テトラゴナル) |
硬度 | モース硬度 2.75~3 |
比重 | 約6.5~7 |
色 | 橙色、黄色、赤褐色など |
光沢 | ガラス光沢~樹脂光沢 |



うわっ、硬度が2.75ってめっちゃ柔らかいじゃん!



そうなんだ。飾る分にはいいけど、取り扱い注意な繊細系鉱物だね。
第2章:名前の由来と発見の歴史



ウルフェナイトの名前は、オーストリアの鉱物学者 Franz Xavier von Wulfen(フランツ・ウルフェン)にちなみ、1845年に命名されました。彼は鉱物の分類と記述に多大な貢献をした人なんだよ。



先生の名前が鉱物になっちゃうってスゴすぎる!
第3章:ウルフェナイトの結晶と見た目の特徴



ウルフェナイトの魅力は、何といってもその板状の結晶とビビッドなオレンジ色です。
主な特徴:
- 薄い板状の結晶が特徴(厚さは1mm以下のことも)
- 結晶面が滑らかで、光を強く反射する
- カラーバリエーションも豊富(黄色・赤・茶色・緑色など)



板チョコみたい~!これが自然にできるなんて地球すごすぎ!



特にアリゾナ産のウルフェナイトは、透明感と鮮やかな橙色がピカイチだね。
第4章:産地と鉱床
世界の主要産地
- アメリカ(アリゾナ州・レッドクラウド鉱山)
- メキシコ
- モロッコ
- ナミビア
- オーストリア
日本での産出



日本では明確なウルフェナイトの結晶産出は稀ですが、微量の存在は確認されています。



アリゾナって鉱物の宝庫だよね!



うん。特にウルフェナイトは“鉱物図鑑の表紙を飾る存在”って言われるほど華やかなんだよ。
第5章:化学と生成環境



ウルフェナイトは、鉛鉱床の酸化帯(二次鉱床)で生成されます。 鉛鉱物が酸化され、そこにモリブデンが供給されることで形成されるのです。
- 共生鉱物:セリウサイト、バナディナイト、アングレサイトなど
- 生成環境:乾燥地帯の酸化鉱床が理想的



共演者もけっこう華やかだね!



酸化鉱床ってまるで鉱物の舞踏会みたいな華やかさがあるんだよ。
第6章:コレクター市場での評価



ウルフェナイトは鉱物コレクターの間でとても人気があり、 特にアリゾナ産の結晶標本は高値で取引されることもあります。
鑑賞のポイント:
- 板状結晶の透明度
- 結晶面の整い方(完全な正方形に近いものほど評価が高い)
- 結晶の大きさと密度



石だけど“アート作品”みたいな存在なんだね!



その通り。芸術品レベルの標本は博物館にも収蔵されているよ。
第7章:加工やジュエリー利用はあるの?



ウルフェナイトは非常に脆く、モース硬度も低いため、 ジュエリー用途には不向きとされています。ただし…
- 標本用のポリッシュ標本
- ルースに加工された観賞用 としては人気です。



イヤリングとかにしたら…割れそうで怖い!



完全に観賞用にとどめるのが正解だね。
第8章:取り扱いと保存の注意点



ウルフェナイトは壊れやすく、直射日光や湿気に弱いです。
保存時のポイント:
- 衝撃厳禁(衝撃で割れやすい)
- 紫外線を避ける(変色の可能性)
- 湿気の少ない乾燥環境で保存



“お姫様鉱物”って感じだね!



まさに宝石級に繊細で、丁寧なケアが必要なんだ。
第9章:似た鉱物との比較
ウルフェナイト vs バナディナイト
項目 | ウルフェナイト | バナディナイト |
化学式 | PbMoO₄ | Pb₅(VO₄)₃Cl |
結晶形 | 板状 | 柱状 |
色合い | オレンジ・黄色系 | 赤・褐色系 |



似てるようで全然違うんだね!



鉛を含むところは共通してるけど、構造や色味で判別できるよ。
第10章:たむの自由研究コーナー!



モリブデンってあんまり鉱物で聞かないけど、他にもあるの?



いい質問!例えば“モリブデナイト(MoS₂)”っていう黒い鉱物もあるよ。



黒とオレンジで正反対だ~!



鉱物の世界は、同じ元素でも出会う相手と環境次第でまったく違う形になる。それが面白いんだよね。
エピローグ



ウルフェナイト、見た目も名前もカッコよくて、お姫様みたいで、最高だった~!



その感動、きっと世界中の鉱物ファンと共有できるよ。



鉱物って、見て・学んで・語って、三拍子揃って楽しいね!



