名前 | 普通角閃石/HORNBLENDE/ホルンブレンド |
色 | 灰緑色~暗緑色、褐色~黒色 |
光沢 | ガラス光沢 |
蛍光 | なし |
劈開 | 二方向に完全 |
断口 | 不平坦 |
硬度 | 5-6 |
比重 | 3-3.5 |
主な産地 | ノルウェー、フィンランド、カナダ、アメリカ、イタリア、スウェーデン、オーストラリア |
概要
ホルンブレンド(Hornblende)は、一般に黒色または濃緑色を呈する複雑な鉱鉱で、主に複数の異なる成分が含まれる複合鉱物です。化学式は一般的に (Ca2(Mg,Fe)4Al4Si7O22(OH)2)(\text{Ca}_{2}(\text{Mg}, \text{Fe})_{4}\text{Al}_{4}\text{Si}_{7}\text{O}_{22}(\text{OH})_{2})(Ca2(Mg,Fe)4Al4Si7O22(OH)2) で示され、詳細な化学組成は鉱物の種類や産地によって異なります。ホルンブレンドは主に変成岩や火成岩中で見られ、その特徴的な色と構造から岩石学的に重要な鉱物です。
特徴と構造
ホルンブレンドは、主に以下の特徴を持つ鉱物です:
- 色: ホルンブレンドは通常、黒色または濃緑色で、しばしば複数の色合いが見られることがあります。
- 結晶構造: ホルンブレンドの結晶は、通常、長い柱状または板状で、斜方晶系に属します。結晶はしばしば厚い板状または長い柱状の形をしており、繊維状の構造を持つことがあります。
- 硬度: ホルンブレンドの硬度は6〜6.5程度で、一般的に中程度の硬さを持っています。
- 劈開: ホルンブレンドは良好な劈開を持ち、特に二方向に明確な劈開が見られます。
ホルンブレンドは、複数の成分が組み合わさってできており、主な成分にはカルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム、シリコン、酸素などが含まれます。これにより、ホルンブレンドは多様な鉱物組成を持ち、変成作用や火成作用の影響を受けた岩石中で見られます。
形成と産地
ホルンブレンドは、主に以下の環境で形成されます:
- 変成岩: ホルンブレンドは、特に片麻岩や変成花崗岩中に見られ、変成作用によって他の鉱物と共に形成されます。
- 火成岩: ホルンブレンドは、火成岩中でも見られ、特に玄武岩や安山岩の中に含まれることがあります。
主要な産地としては以下の場所が挙げられます:
- アメリカ合衆国: アメリカでは、特にカリフォルニア州やオレゴン州でホルンブレンドが見られます。
- カナダ: カナダの一部の変成岩地帯や火成岩地帯でホルンブレンドが見つかります。
- スコットランド: スコットランドの変成岩中にもホルンブレンドが含まれており、地質学的に重要な鉱鉱です。
用途と価値
ホルンブレンドは、主に地質学的な研究や鉱鉱学的な評価に使用される鉱鉱です。特に以下の分野で重要です:
- 地質学: ホルンブレンドは、変成作用や火成作用の研究において重要な役割を果たします。ホルンブレンドの組成や構造は、岩石の形成過程や変成条件を解明する手助けとなります。
- 鉱鉱学: ホルンブレンドは、鉱鉱学的な評価や鉱物分類において重要です。特に複雑な鉱物組成を持つため、その分析が岩石の特性を理解する上で有用です。
- 建材: ホルンブレンドを含む岩石は、建材として利用されることがあります。特にその耐久性や美しさから、装飾的な建材として使われることもあります。
ホルンブレンド自体は特に宝石としての利用は少ないですが、その鉱物学的価値や地質学的な重要性から、研究や評価の対象となることが多いです。
結論
ホルンブレンドは、その特徴的な色と構造から、変成岩や火成岩中で重要な役割を果たす鉱鉱です。複雑な化学組成と独特の結晶構造により、地質学や鉱鉱学の研究において非常に有用です。ホルンブレンドの理解を深めることで、岩石の形成過程や変成条件についての知識が広がることでしょう。