名前 | ラブラドライト/LABRADORITE/曹灰長石 |
色 | 灰色、青緑色(ラブラドレッセンスあり) |
光沢 | ガラス光沢 |
蛍光 | なし |
劈開 | 完全 |
断口 | 凹凸状、貝殻状 |
硬度 | 6-6.5 |
比重 | 2.7 |
主な産地 | カナダ、オーストラリア、アメリカ、ウクライナ、フィンランド、ノルウェー、イタリア、マダガスカル |
概要
ラブラドライト(Labradorite)は、化学式 (Na,Ca)2(Al3Si3O10)2(SiO4)(\text{Na}, \text{Ca})_2(\text{Al}_3\text{Si}_3\text{O}_{10})_2(\text{SiO}_4)(Na,Ca)2(Al3Si3O10)2(SiO4) で表される長石鉱物の一種で、特にその鮮やかな色彩と強い光の反射から「プレイオブカラー(遊色効果)」として知られています。通称「曹灰長石」とも呼ばれ、主に装飾用の宝石や鉱物標本として高く評価されています。ラブラドライトは、その独特の輝きや色合いが特長で、さまざまなジュエリーや工芸品に利用されます。
物理的特性
ラブラドライトの主な特性は以下の通りです:
- 化学組成: ラブラドライトは長石グループに属し、主成分はナトリウムカルシウムアルミニウムシリケートです。化学式は (Na,Ca)2(Al3Si3O10)2(SiO4)(\text{Na}, \text{Ca})_2(\text{Al}_3\text{Si}_3\text{O}_{10})_2(\text{SiO}_4)(Na,Ca)2(Al3Si3O10)2(SiO4) です。
- 色: ラブラドライトの基本的な色は灰色から青緑色ですが、光の角度や条件によって、青、緑、金、紫、赤などのさまざまな色合いが見られます。これらの色は「ラブラドレッセンス」と呼ばれる独特の光の反射によって生じます。
- 硬度: モース硬度は約6から6.5で、比較的硬い鉱物です。このため、耐摩耗性が高く、ジュエリーや装飾品として適しています。
- テクスチャー: ラブラドライトは通常、長い結晶が形成されることが多く、表面は光沢があります。特に「ラブラドレッセンス」と呼ばれる光の反射効果が強調されることが特徴です。
- 比重: 比重は約2.7から2.8で、鉱物としては中程度の重さがあります。
発見と分布
ラブラドライトは、以下の地域で広く分布しています:
- カナダ: ラブラドライトの名前はカナダのラブラドール半島に由来しており、ここで発見されたことから名付けられました。カナダでは高品質なラブラドライトが採掘されています。
- フィンランド: フィンランドのペロカスキ地区やラプランドで、非常に美しいラブラドライトが見つかっています。
- アメリカ合衆国: ミネソタ州やアラスカ州でラブラドライトの鉱床があり、美しい結晶が採掘されています。
- オーストラリア: オーストラリアのノーザンテリトリーやニューサウスウェールズ州でもラブラドライトが採掘されています。
用途と価値
ラブラドライトは、その特性から以下の用途で利用されています:
- 宝石: ラブラドライトはその美しいラブラドレッセンスと多様な色合いから、ジュエリーやアクセサリーとして非常に人気があります。特にネックレス、リング、イヤリングなどに使用されます。
- 工芸品: ラブラドライトの美しい輝きと色合いは、彫刻や装飾品に利用されます。特に芸術的な彫刻やインテリア装飾品として高く評価されています。
- 鉱物標本: 美しいラブラドレッセンスを持つラブラドライトは、鉱物コレクションや博物館の展示品としても高い価値があります。
科学的・歴史的背景
ラブラドライトは18世紀にカナダで発見され、その独特のラブラドレッセンスが注目されました。特にカナダのラブラドール半島で発見されたことから、「ラブラドライト」という名前が付けられました。古代から、ラブラドライトは神話や伝説で神秘的な力を持つ石とされており、現代でもその美しさと神秘性が評価されています。
まとめ
ラブラドライト(曹灰長石)は、その鮮やかな色合いや光の反射効果から、ジュエリーや工芸品、鉱物標本として高い評価を受けています。硬度が高く耐摩耗性に優れ、加工しやすい特性を持ちながら、美しいラブラドレッセンスが特徴です。ラブラドライトの物理的特性や歴史的背景を理解することで、この鉱物の魅力とその重要性が一層明確になります。