鉱物種 | コーラル(さんご) |
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屈折率 | 1.486-1.658 |
モース硬度 | 3 1/2-4 |
結晶系 | 三方晶系、直方晶系、非晶質 |
晶癖 | – |
比重 | 2.65 |
光沢 | ロウ状-ガラス |
劈開 | なし |
現象 | なし |
主な産地 | 南西太平洋海域、地中海、日本近海 |
有機物宝石ってなに?特徴や取り扱いの注意点
さんごは、有機物宝石に分類されます。その特徴や、取り扱い方の注意点をみていきましょう。
有機物宝石とは?
ダイヤモンドやエメラルドなどほとんどの宝石は、鉱物などの無機物質から形成されています。モース硬度が高い宝石です。いっぽうの有機物宝石は、硬度が低いことが特徴的です。なぜなら、生物由来で生み出されたものだからです。動植物の器官や組織が変化したものや、生物の特性を利用して作り出します。
有機物宝石には、真珠やさんごの他に琥珀、象牙、べっ甲、アンモライトがあります。たとえば琥珀は樹脂の化石ですし、べっ甲はウミガメの甲羅が原料になっています。
有機物宝石を取り扱う際の注意点
有機物宝石は、無機物宝石と比べて硬度が低いです。そのため、表面に細かい傷がつきやすいです。また、汗や皮脂などの酸やアルカリにも溶けやすく、日光や照明などの紫外線や熱にも弱いといいます。
取り外したらまずは柔らかい布で汚れを拭き取り、直射日光を避けた涼しい場所で保管するようにしましょう。定期的に艶出しのメンテナンスもプロにお願いするとよいですよ。
宝石さんごの種類とその価値は?
ジュエリーとして流通しているさんごは、南の海に浮かぶサンゴ礁とは全く別物で、「宝石さんご」と呼ばれています。また、天然物であるがゆえに木目模様や色班、虫穴が見られるものもあります。
宝石さんごの種類について
宝石さんごは、深海に生息する珊瑚虫(さんごちゅう)という生物が群生して硬くなったものから作られています。色によって大きく3つの種類に分類されます。
◆赤珊瑚
日本やイタリア・ギリシャなど地中海沿岸諸国などで採取できる。色んな国で採れるため希少性は低い。日本産のものは人間の骨のような白い筋(フ)がある、海外産のものはやや明るめの赤色をしている違いがあります。
◆桃色珊瑚
日本近海の小笠原列島や五島列島、奄美、沖縄、宮古島周辺で採取できる。赤っぽいものから薄いピンクまで色の幅が広い。桃色珊瑚の原木は大きいため、ブローチやペンダント、帯どめなどに使われます。
◆白珊瑚
日本沿岸から東シナ海、南シナ海を経てフィリピンベトナム周辺までの広い海域で採取されます。色味は薄いピンクからセピア色をしています。
さんごの価値はその色で決まる!?
宝石珊瑚の原木は、直径1cmになるまでに50年以上もかかるといわれています。それだけでも希少性がわかると思いますが、宝石としての価値はその色がポイントになりますよ。特に高額で取引されているのが次のような宝石さんごです。
◆血赤珊瑚
日本産の赤珊瑚のなかでも、とくに赤味が強いもの。高知県の土佐湾で採れる血赤珊瑚は「オックスブラッド」は、世界一希少価値があるとされています。
◆エンジェルスキン
均一に薄く淡いピンク色になっている桃色珊瑚は高値で取引される。ヨーロッパではエンジェルスキンと呼ばれます。日本ではボケの花に似た色をしていることから、「本ボケ」と呼ばれている。
◆純白や象牙色の白珊瑚
まず市場に流通することがない白珊瑚で、希少価値がとても高いです。