鉱物名 | オリビン |
宝石名 | ペリドット |
モース硬度 | 6½-7 |
比重 | 3.2-4.4 |
屈折率 | 1.65-1.7 |
主な産地 | ミャンマー、スリランカ、ブラジル、アメリカ、メキシコ、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、オーストラリア、イタリア、エジプト、ケニア、フランス、スペイン |
特徴 | オリーブグリーンやライムグリーンのような色合い。暗い照明のもとでも輝くことから「イブニング・エメラルド」とも呼ばれる |
概要
オリビン(Olivine)は、化学式 (Mg,Fe)2SiO4\text{(Mg,Fe)}_2\text{SiO}_4(Mg,Fe)2SiO4 で表される鉱物で、一般には「かんらん石」と呼ばれています。オリビンは、その美しい緑色と高い耐熱性から、地球のマントルや火山岩の重要な成分として広く知られています。オリビンの色は、主に含まれるマグネシウムと鉄の割合によって異なります。
物理的特性
オリビンの主な特性は以下の通りです:
- 化学組成: オリビンは (Mg,Fe)2SiO4\text{(Mg,Fe)}_2\text{SiO}_4(Mg,Fe)2SiO4 の形式で表され、主成分はマグネシウムと鉄、シリカです。マグネシウムが多い場合はペリドット(Peridot)、鉄が多い場合はフォルステライト(Forsterite)と呼ばれることがあります。
- 色: オリビンは通常、黄緑色からオリーブグリーンの色合いを持っています。色合いは、鉱物中の鉄の含有量に応じて変わります。鉄の含有量が増えると、色はより暗くなります。
- 硬度: モース硬度は約6.5から7で、比較的硬い鉱物です。これにより、ジュエリーや装飾品としての耐久性があります。
- テクスチャー: オリビンの結晶は、短柱状や楕円形に形成され、表面は滑らかで光沢があります。結晶は通常、無色透明から半透明で、しばしば内包物や気泡を含むことがあります。
- 比重: 比重は約3.2から4.4で、含まれるマグネシウムや鉄の割合によって異なります。
発見と分布
オリビンは、以下の地域で広く分布しています:
- ハワイ: ハワイ諸島では、火山岩(玄武岩)の中に多くのオリビンが含まれており、美しい黄緑色のオリビンが見つかります。特にハワイのビッグアイランドでは、オリビンが多く見つかります。
- 南アフリカ: 南アフリカのキンバーライト鉱床やペリドット鉱床で、オリビンが採掘されています。南アフリカ産のオリビンは、特に高品質なものが多いです。
- アメリカ合衆国: アメリカのアリゾナ州やオレゴン州、カリフォルニア州でオリビンが見つかります。アリゾナ州のパール湖では、非常に美しいオリビンが採掘されています。
- アフリカ: アフリカのタンザニア、ナミビア、ザンビアなどでもオリビンが発見されており、特にタンザニア産のオリビンはその美しさで評価されています。
- ロシア: ロシアのウラル山脈やシベリア地方で、オリビンが見つかることがあります。
用途と価値
オリビンは、その特性から以下の用途で利用されています:
- ジュエリー: オリビンは、美しい緑色から「ペリドット」という名前でジュエリーに使用されます。特に高品質なペリドットは、ネックレス、リング、ブレスレットなどの宝石に加工されます。
- 工芸品: オリビンの美しい色合いや硬度から、彫刻や装飾品としても利用されます。特に高品質なオリビンは、彫刻やオブジェに加工されることがあります。
- 鉱物標本: オリビンの結晶は、その美しい色合いや結晶形状から、鉱物コレクションや博物館の展示品としても高い価値があります。
- 工業用途: オリビンは、高温耐性や耐腐食性があるため、溶融鋼やセラミック材料の製造に利用されることがあります。また、オリビンは研磨剤や砂利としても使用されることがあります。
科学的・歴史的背景
オリビンは、地球のマントルの主要な構成鉱物であり、その存在は地球内部の研究において重要です。オリビンは、火山活動によって地表に持ち上げられることが多く、火山岩の成分として広く分布しています。また、オリビンは隕石にも含まれることがあり、宇宙鉱物としても研究されています。
古代から現代にかけて、オリビンはその美しさと耐久性から装飾品やヒーリングストーンとして利用されてきました。特にペリドットは、古代エジプト時代から珍重されており、歴史的な価値も高い鉱物です。
まとめ
オリビン(かんらん石)は、その美しい緑色と高い耐熱性から、ジュエリーや工芸品、鉱物標本として広く利用されています。多様な色合いや結晶形状が特徴で、古代から現代にかけて、その美しさと重要性が評価されてきました。オリビンの物理的特性や歴史的背景を理解することで、この鉱物の魅力と重要性が一層明確になります。